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掛けた電話は、掛けた方から切る-2

ここで『めじか』について説明したいと思います。

北海道オホーツク地方では、月光川の豊漁と時を同じくし、それまで(昭和40年代初頭)見たことがない非常に若く丸々と太った鮭が網に入るようになったそうです。食べても美味しく、値段も高く売れるため、漁協の経営面でも助けられたと後にお聞きしました。また、『めじか』はプロのオホーツクの皆さんでさえ雄雌の区別がつかないそうです。

性成熟が進んでいない為、口先から目までの間隔が狭いので『めじか』(目が近い)と名が付けられたと伺っています。

あれから時も経過し、私も枡川孵化場の組合長に、そして山形県の会長になり山形県から提案した網揚げ規制に意見を言える立場になりました。

それまでも段階的に規制を緩めては来てはいましたが、北海道からは何とか全面解除出来ないかと要望が毎年出されていました。

私は何とかそれに応え北海道オホーツク地方との道県の枠を超えた『めじか』交流に繋げたいと考えていましたので、大先輩に相談しました。

その大先輩は「この問題は山形の我々が提案した規制だから山形から解除提案することはダメだ。」と言われてしまいました。しかも、担がれたとしても、その先頭にたったのは亡くなった私の父だったとも知らされました。

しかし諦めきれず、「掛けた電話は掛けた方から切るのがマナー」ではないかと話し掛けたところ、一瞬の笑みがありました。

つまり本音の部分では、網揚げ規制の効果には多くの方々が疑問を持っていたのだと思います。

お陰で、山形県の調整会議に提案し了解も得られ水産庁での調整会議で発言が出来ました。数々の激しい議論を経ましたが3年で北海道での網揚げ解除が決定されました。

北海道からは多額の協力金を本州日本海側5県に頂く事になりましたが、私にとっては何よりも、念願の日本で初めての道県の枠を超えた『めじか』交流に繋がった事が嬉しかったのです。

-続く

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